2016.7.22 Sustainavision Monthly News Letter Vol.33, 34: GRI国際会議と現代奴隷法2

2016.7.22 Sustainavision Monthly News Letter Vol.33, 34: GRI国際会議と現代奴隷法2

ロンドン在住サステナビリティ/CSRコンサルタント・サステイナビジョンの下田屋です。日本は、梅雨明け間近の最後でぐづついた天気が続いていますね。そのような中、皆さんはいかがお過ごしですか?

このニュースレターは、欧州・英国ロンドンからCSR(企業の社会的責任)/サステナビリティについて、ご連絡をさせていただいております。(お名刺交換をさせて頂きました方、当社主催の講習会にご参加頂ききました方等ご縁があった方々にご連絡をさせていただいております。)

さて、今回は、2本立てで、「GRI国際会議の報告」そして、「現代奴隷法への対応」についてお伝えさせていただきます。

コラム1.
<GRI国際会議の報告>

CSR/サステナビリティ報告書の国際的なガイドラインを定めるGRI(グローバル・リポーティング・イニシアティブ)の主催による「GRI国際会議2016」が5月18日~20日の3日間に渡りオランダ・アムステルダムで開催され、前回2013年に引き続き参加の機会を得ました。

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Photo: Takeshi Shimotaya

このGRIとは国際NGOで、CSR/サステナビリティ報告書に関する世界的なガイドラインを発行する国際組織です。2000年に同組織として初めてのCSR/サステナビリティ報告書のガイドラインを発行し、現時点ではCSR/サステナビリティ報告に関するガイドラインにおいて世界における中心的存在となっています。

今回の国際会議には、世界77カ国から約1200人が参加、議題として取り上げられたのは、このGRIが発行しているCSR報告書ガイドラインが「スタンダード(基準)」という形式へと移行すること、また、「持続可能な開発目標(SDGs:2015年9月国連発表)」、「企業の協働」「データのデジタル化」などがテーマとして掲げられました。

The 5th GRI Global Conference Video:
GRI国際会議のまとめのビデオです。会場での雰囲気などがわかります。

次にこれらの概要を紹介していきます。

G4からGRIスタンダードへの移行
各国の企業は現在、GRIの第4世代のG4ガイドラインを使用している。そして今回このG4をベースとした「GRIスタンダード(基準)」を開発している。これは世界における企業を取り巻く環境が劇的に変化している中で、それらに迅速に対応するための改訂といってもよい。
これはG4の各側面が30+のテーマに特定されたスタンダードに落とし込まれ、3つのユニバーサル・スタンダード(基準)である「SRS 101」「SRS 201」「SRS 301」が全ての報告書に適用されることとなります。スタンダードは、G4の内容がこのスタンダードの各所に振り分けられていて、内容の変更はほとんどありませんが、用語の変更・簡素化や、振り分け場所の変更が行われています。また、GRIスタンダードに移行後も、企業はG4と同様に今後も企業の取り組むべきマテリアリティ(重要な側面)を特定して報告することとなります。

持続可能な開発目標(SDGs)

今回の会議の各セッションは、SDGsの17の個別の目標にどのように関連しているかが分かりやすく紐付けられていました。このSDGsとは、国連が新たに2030年までの目標として掲げた、全世界が取り組むテーマで、この会議においても企業が取り組むべき中心として取り上げられていました。
3日間の会議中、多くのスピーカーが、SDGsに関連するテーマでの企業の取り組みについて発表しています。
国連作業部会「ビジネスと人権」議長のダンテ・ペッシュ氏は、「SDGsは我々の望む将来を作るためのその場しのぎの解決法ではない。負の影響を軽減・避けるための『害を及ぼさない』姿勢で臨むことがSDGsへのアプローチとして重要となる」と述べ、世界的にこのSDGsの目標に取り組む気運が高まる中、企業が与える正の影響だけでなく、環境・社会、特に企業が引き起こしている人権の問題に関連する負の影響についても考慮する必要があることを強調しました。

企業の協働
GRIのクリスティアナ・ウッド議長は、企業に「協働」の実施を強い言葉で訴えました。これは、現在の企業はサステナビリティの課題に直面しており、一企業単独では、課題の解決が難しく、様々な企業同士の協働により乗り切ることができるとし、その協働が徐々に生み出されてきているということです。共通の目標を持つ他社との協働により、それぞれの能力を結集することで、サステナビリティの課題を解決するためのイノベーションを可能とします。外部のステークホルダーとのパートナーシップ、協働により、世界に変化を促していく必要があることが強調された。

データのデジタル化
このGRI国際会議の3日間を通して他にサステナビリティ・データのデジタル化に焦点が当てられ、変革の推進のために、テクノロジーの役割が重要であることをビジョンとして示した。ビッグデータという大きなデータの波が押し寄せているが、企業による良質なサステナビリティのデータの確保と提供が今後鍵となることが強調された。

今回の国際会議は、特に大きな目玉があったわけではなかったので、日本代表団が組織されず、日本からの参加者も非常に少なかったですが、確かにCSR報告の方向性を定める会議として機能していました。そしてCSR/サステナビリティ報告書のガイドラインとしては、GRIは確かに世界の中心にあることを確認しました。
G4からスタンダードへの移行に伴い更なる強化が図られ、また環境・社会に関する「非財務情報」の開示について世界的に法令で義務付ける国が増加傾向にある状況下で、日本企業は、今後このGRIのG4ガイドライン/スタンダードの活用において、ただ社会・環境に関する報告のツールとして考えるのではなく、企業経営にCSR/サステナビリティを組み込むツールになりうるというGRIの本来の意図に沿って活用することが、企業が本来のCSR/サステナビリティを実施していく上で非常に重要になると考えます。

コラム2
<現代奴隷法への対応>
英国で、2015年3月に、現代の奴隷制を防止する法律である「Modern Slavery Act 2015 (現代奴隷法)」が、制定されています。この法案は・・・  続きはこちら

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<サステイナビジョンからのお知らせ>

<第13回英国IEMA認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー資格講習>


・日時:2016年10月20日(木)・21日(金) 両日とも9:00~17:00
・場所:東京都港区
・定員:15名
※申し込みを開始いたしました。海外CSR戦略の一環としてこの機会に是非参加をご検討ください。

・ニュースレター割引:15%  (コード「NL15」をお申込みの際にご記載ください。)
団体割引、NGO/NPO、大学関係者、公務員、中小企業割引あり
お申込み・お問合せはこちら

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<英国現代奴隷法への対応のお問合せ>

サステイナビジョンは、英国Twenty Fifty社との協働で、日本の企業様の英国現代奴隷法への対応についてご相談を承っております。
サステイナビジョンとTwenty Fiftyでは、英国での日本企業のサポートを既に実施しており、日本企業の状況を理解した上でのプロジェクトを行っております。「対応しなければならないと思っているが、どのように実施したら良いのか」など、それぞれの企業様の現在の対応状況に合わせてアドバイスさせていただきます。お気軽にお問合せください。
お問合せはこちら
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<編集後記>

ニュースレターについてご無沙汰をしてしまいました。すみません。。。今回5月にアムステルダムで開催されたGRIの国際会議の模様について、そして英国現代奴隷法の対応状況についてお伝えさせていただきました。
GRIの国際会議の方は、今回日本からの参加者が少なく非常に残念でした。前回2013年と比較すると全体的に参加者は減っていたようですが、引き続きGRIへの関心は高く、CSR/サステナビリティのガイドラインとしてはほぼ世界の中心と位置付けられていると感じました。また今回の会議では、持続可能な開発目標(SDGs)への紐付けてイベントの設定がなされており、SDGsに関連してGRIの活用を行っていく方向性を見ることができました。それらは別個のものではなく、相互に関連があるもので、そして、企業のマテリアリティ(特定された重要な事項)を進めていく上でも非常に参考になるものです。日本国内においてもSDGsは関心が高いと思いますが、海外においても同様に関心が高く、SDGsを見据えた活動が考えられている状況がありました。
また、現代奴隷法ですが、今までの英国で入手した情報をベースに6月末までの情報としてまとめてありますので、是非ご活用ください。またご不明な点、御質問などありましたらいつでもご連絡いただければと思います。
さて、7月27日にまた英国に戻り、9月中旬に日本に戻る予定としています。この英国滞在中には、引き続き現代奴隷法の対応状況について関係団体に話を聞く予定としています。また、来月8月下旬にストックホルムで開催されるワールド・ウォーター・ウィーク(http://www.worldwaterweek.org/)に参加をする予定としています。こちらでは、水に関する世界の取り組みについての1週間のイベントとなります。特に企業の水に関する問題点、対応についてのセッションに参加する予定としています。ご関心のある方や、もし参加される予定の企業の方などいらっしゃいましたらお知らせいただければ幸いです。
それでは、これから日本の暑い夏がやってきますが、熱中症などにならないようにどうぞご自愛いただければと思います。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(サステイナビジョン下田屋)


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最近の寄稿記事はこちらから

【オルタナオンライン】
・「GRI国際会議2016」、G4からスタンダードへ――下田屋毅の欧州CSR最前線(50)
・ 企業の人権に関する法制化のゆくえ――下田屋毅の欧州CSR最前線(49)
・ 続く現代の奴隷労働、第4回「国連ビジネスと人権フォーラム」報告――下田屋毅の欧州CSR最前線(48)
・英国の現代奴隷法による日本企業への影響――下田屋毅の欧州CSR最前線(47)

【東洋経済オンライン】
ここが変だよ!日本のCSR

【Sustainable Japan】
英国現代奴隷法、日本企業はどう対応するべきか~下田屋毅氏の欧州CSR最新動向~
第4回国連ビジネスと人権フォーラム参加報告~下田屋毅氏の欧州CSR最新動向~

【CSOネットワーク】
・ 「第4回国連ビジネスと人権フォーラムについて(報告)」
・エレン・マッカーサー財団インタビュー

【レスポンスアビリティ”サスナビ!”】
ビジネスが取り組むべき人権とは?
・あなたも奴隷を使っている!?
・競争相手とすら手を組んで水リスクに備える海外の先進企業たち
・CSOが推し進めるイケアのサステナビリティ戦略

【サステナビリティ・コミュニケーション・ハブ】
・共感を呼ぶ、行動につなげる「サステナブル・ストーリングテリング」
・企業のESG情報はどのように収集・活用されているか(ブルームバーグ)
・マークス&スペンサーが実践するサステナビリティ

【ZUUオンライン】
・現代に潜む「奴隷制」ー世界が日本企業の対応を注視している 
SDGs は企業の世界戦略の新潮流となるか
・日本企業が見習うべき「欧州CSR優良企業」5選(後編)

・日本企業が見習うべき「欧州CSR優良企業」5選(前編)

【シータス&ゼネラルプレス】
・CSVとネスレの人権に関する取り組み:後編(2014/5/6)
・CSVとネスレの人権に関する取り組み:前編(2014/5/6)

【ブレーンセンター】
CSRの推進に不可欠な社内浸透教育の重要性

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サステイナビジョン ( Sustainavision Ltd. Company No. 7477687)
下田屋 毅
Takeshi Shimotaya (MBA, MSc, CSR-P, 環境プランナーER)
Managing Director, Japan Foundation London CSR Seminar project adviser
ビジネス・ブレークスルー大学講師(担当科目:CSR)
住所: International House, 24 Holborn Viaduct, City of London, London EC1A 2BN, The United Kingdom
Website: http://www.sustainavisionltd.com/
Twitter: @tshimotaya
Facebook: http://www.facebook.com/sustainavision
在英日本商工会議所会員企業
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