2016.9.23 Sustainavision Monthly News Letter Vol.35:世界で取り組む水リスク

2016.9.23 Sustainavision Monthly News Letter Vol.35:世界で取り組む水リスク

ロンドン在住サステナビリティ/CSRコンサルタント・サステイナビジョンの下田屋です。日本は台風などで、またロンドンも雨模様の日が続いているようですが、そんな中、皆さんはいかがお過ごしですか?

このニュースレターは、欧州・英国ロンドンからCSR(企業の社会的責任)/サステナビリティについて、ご連絡をさせていただいております。(お名刺交換をさせて頂きました方、当社主催の講習会にご参加頂ききました方等ご縁があった方々にご連絡をさせていただいております。)

さて、今回は、「世界で取り組む水リスク」と題して、ワールド・ウォーター・ウィークの参加についてお伝えさせていただきます。

世界における水リスクの対応に関する国際会議「2016ワールド・ウォーター・ウィーク」が2016年8月28日から9月2日までスウェーデンのストックホルムで開催され、サステイナビジョン下田屋が2年ぶりに参加してまいりました。

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Photo: Takeshi Shimotaya

この国際会議は、ストックホルム国際水研究所(SIWI)が主催するもので、毎年同時期に1週間をかけて開催されています。これは世界の水に関連した発展途上国における開発やサステナビリティの課題、貧困地域での課題、また新興国や先進国を含めた世界の各地域における水に関する様々な課題についての対応状況を伝え情報を共有し、活動を拡大することを考えて実施しています。

今年のテーマは、「持続可能な成長のための水」。世界約120カ国から200以上の団体・組織がイベントに協力し、国連機関や各国大臣、政府関係者、各国の開発機関から参加。さらに企業や、NGO、大学・研究機関など、約3千百人が参加する大規模な会議で、世界での国家から地域、また企業レベルの水問題に関する幅広い課題に対応するプラットフォームとして機能しています。

今回の会議で中心に位置づけられたのは、「持続可能な開発目標(SDGs)」と12月の「パリ協定」。SDGsでは、「目標 6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」が直接的な目標ですが、この下の詳細なターゲットとともに多く取り上げられ、さらに「水は活動の基本」として、他の目標(貧困、食料、疾病、不平等、気候変動等)にも関連があることが強調されました。

私は企業活動に関わるセッションを選んで参加しましたが、今回再認識したのが「企業1社では実施するのに限界がある。NGOなどの関連団体を中心に他企業ともコラボレーションを積極的に行っていく必要がある」であり、さらにそれらコラボレーションから、イノベーションに結び付け、それを他地域へとスケールアップする方向で動いていることです。

「トイレット・ボード・コアリション」は、低所得市場に衛生を提供するためのビジネスのプラットフォームで、ユニリーバ、キンバリークラーク、日本のリクシルが参加し、また英国のNGOウォーター・エイドはこのプラットフォームに参加するとともに、企業(H&M、HSBCなど)とのコラボレーションを実施しています。

WWFとコカ・コーラは、ウォーター・スチュワードシップの活動の範囲をさらに広めています。

またPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)についても盛んに話がされ、近年立ち上げられた「スウェーデン・テキスタイル・ウォーター・イニシアティブ」には、H&Mやイケアなどが参加、「水の効率的使用」、「水の汚染予防」、「廃水の処理」等について検討を始めています。そこでは、最初から何か解決策があったわけではなく、第一段階でイノベーションへ結び付けるために協働で解決策を模索する機会を生み出し議論を始めることが重要だとし、競合他社とは、デザインやパターンなどを共有することはできないが、サステナビリティに関しては、解決策を探すコラボレーションを積極的に実施することができるとしています。

このように水への対応はSDGsとパリ協定を絡めて活動されており、リスク対応としてだけでなく、機会としても受け止め競合他社ともコラボレーションを行っていく状況が加速されています。このトレンドに乗り遅れる企業は、水という貴重な資源を中心とした活動から遅れていくことになり、それは自社の持続可能性にも大きな影響を与えるということを認識しなければならないと思います。海外の企業はサステナビリティに関して本気で取り組みを始めていることを是非念頭に置いて、御社においても活動を進めていただければと思います。

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<サステイナビジョンからのお知らせ>

<第13回英国IEMA認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー資格講習>


・日時:2016年10月20日(木)・21日(金) 両日とも9:00~17:00
・場所:東京都港区
・定員:15名
※既にお申し込みが始まっています。お申込みをお考えの方はお早めにお申し込みください。

・ニュースレター割引:15%  (コード「NL15」をお申込みの際にご記載ください。)
団体割引、NGO/NPO、大学関係者、公務員、中小企業割引あり
お申込み・お問合せはこちら

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<国際NGO”Verite”主催のシンポジウム>
国際NGOのVeriteが、日本において外国人労働者に関するシンポジウムを開催します。
【日時】: 2016年9月28日(水)8:45-17:00
【場所】: 川崎日航ホテル
〒210-0024 神奈川県川崎市川崎区日進町1
JR川崎駅東口より徒歩1分
【主催】:国際NGO Verite
【内容】:
外国人労働者を取り巻く状況と、リスク管理、外国人労働者問題への解決策、外国人労働者に関するショートムービーの上映など
【参加費】:無料、日英同時通訳有り
詳細は次のウェブサイトよりどうぞ
http://energeticgreen.com/blog/2016/08/18/0928symposium/
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<ヒューマンライツ・ナウ ビジネスと人権セミナー>
「英国現代奴隷法―企業に求められるリスク管理―」
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ様主催のセミナーにてサステイナビジョン下田屋が英国現代奴隷法についてお話させていただきます。今後、企業に求められるサプライチェーンの透明性を高めるための具体的な対応について、英国現代奴隷法を事例に議論いたします。ビジネスと人権の問題にご関心のある方、企業のCSRにご関心のある方、NGOの方など、どなたでもご参加可能です。皆様お誘い合わせの上、ぜひお申込みください。
◆概 要◆
【日時】:2016年10月3日(月)18:30-20:30 (開場18:00)
【会場】:森・濱田松本法律事務所 東京オフィス
〒100-8222 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 丸の内パークビルディング(受付16階)
アクセスマップ http://www.mhmjapan.com/ja/offices/tokyo.html
【参加費】:2,000円(事前申込制。申込方法は下記ご確認下さい。)
◆スピーカー◆
齊藤 誠 氏弁護士・日弁連弁護士業務改革委員会・CSRと内部統制に関するプロジェクトチーム座長
伊藤 和子 氏 弁護士/ヒューマンライツ・ナウ事務局長
下田屋 毅 Sustainavision Ltd. 代表取締役
◆申込方法◆
・Peatixでのお申込み(http://ptix.co/2cj9q61
参加申込フォームからのお申込み(http://goo.gl/Jo43BR)
◆主催・問い合わせ◆
認定NPO法人 ヒューマンライツ・ナウ(HRN)事務局(担当:米沢)
Email:info@hrn.or.jp Tel: 03-3835-2110 Web: http://hrn.or.jp/

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<英国現代奴隷法への対応のお問合せ>
サステイナビジョンは、英国Twenty Fifty社との協働で、日本の企業様の英国現代奴隷法への対応についてご相談を承っております。
サステイナビジョンとTwenty Fiftyでは、英国での日本企業のサポートを既に実施しており、日本企業の状況を理解した上でのプロジェクトを行っております。「対応しなければならないと思っているが、どのように実施したら良いのか」など、それぞれの企業様の現在の対応状況に合わせてアドバイスさせていただきます。お気軽にお問合せください。
お問合せはこちら
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<編集後記>

それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(サステイナビジョン下田屋)


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最近の寄稿記事はこちらから

【オルタナオンライン】
・「GRI国際会議2016」、G4からスタンダードへ――下田屋毅の欧州CSR最前線(50)
・ 企業の人権に関する法制化のゆくえ――下田屋毅の欧州CSR最前線(49)
・ 続く現代の奴隷労働、第4回「国連ビジネスと人権フォーラム」報告――下田屋毅の欧州CSR最前線(48)
・英国の現代奴隷法による日本企業への影響――下田屋毅の欧州CSR最前線(47)

【東洋経済オンライン】
ここが変だよ!日本のCSR

【Sustainable Japan】
英国現代奴隷法、日本企業はどう対応するべきか~下田屋毅氏の欧州CSR最新動向~
第4回国連ビジネスと人権フォーラム参加報告~下田屋毅氏の欧州CSR最新動向~

【CSOネットワーク】
・ 「第4回国連ビジネスと人権フォーラムについて(報告)」
・エレン・マッカーサー財団インタビュー

【レスポンスアビリティ”サスナビ!”】
ビジネスが取り組むべき人権とは?
・あなたも奴隷を使っている!?
・競争相手とすら手を組んで水リスクに備える海外の先進企業たち
・CSOが推し進めるイケアのサステナビリティ戦略

【サステナビリティ・コミュニケーション・ハブ】
・共感を呼ぶ、行動につなげる「サステナブル・ストーリングテリング」
・企業のESG情報はどのように収集・活用されているか(ブルームバーグ)
・マークス&スペンサーが実践するサステナビリティ

【ZUUオンライン】
・現代に潜む「奴隷制」ー世界が日本企業の対応を注視している 
SDGs は企業の世界戦略の新潮流となるか
・日本企業が見習うべき「欧州CSR優良企業」5選(後編)

・日本企業が見習うべき「欧州CSR優良企業」5選(前編)

【シータス&ゼネラルプレス】
・CSVとネスレの人権に関する取り組み:後編(2014/5/6)
・CSVとネスレの人権に関する取り組み:前編(2014/5/6)

【ブレーンセンター】
英国現代奴隷法、日本企業はどう対応するべきか
CSRの推進に不可欠な社内浸透教育の重要性

 

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サステイナビジョン ( Sustainavision Ltd. Company No. 7477687)
下田屋 毅
Takeshi Shimotaya (MBA, MSc, CSR-P, 環境プランナーER)
Managing Director, Japan Foundation London CSR Seminar project adviser
ビジネス・ブレークスルー大学講師(担当科目:CSR)
住所: International House, 24 Holborn Viaduct, City of London, London EC1A 2BN, The United Kingdom
Website: http://www.sustainavisionltd.com/
Twitter: @tshimotaya
Facebook: http://www.facebook.com/sustainavision
在英日本商工会議所会員企業
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世界における水リスクの対応に関する国際会議「2016ワールド・ウォーター・ウィーク」が2016828日から92日までスウェーデンのストックホルムで開催され、筆者は2年ぶりに参加した。

この国際会議は、ストックホルム国際水研究所(SIWI)が主催するもので、毎年同時期に1週間をかけて開催されている。これは世界の水に関連した発展途上国における開発やサステナビリティの課題、貧困地域での課題、また新興国や先進国を含めた世界の各地域における水に関する様々な課題についての対応状況を伝え情報を共有し、活動を拡大することを考えて実施している。

今年のテーマは、「持続可能な成長のための水」。世界約10カ国から200以上の団体・組織がイベントに協力し、国連機関や各国大臣、政府関係者、各国の開発機関から参加。さらに企業や、NGO、大学・研究機関など、約3千百人が参加する大規模な会議で、世界での国家から地域、また企業レベルの水問題に関する幅広い課題に対応するプラットフォームとして機能している。

 

今回の会議で中心に位置づけられたのは、「持続可能な開発目標(SDGs)」と12月の「パリ協定」。SDGsでは、「目標 6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」が直接的な目標だが、この下の詳細なターゲットとともに多く取り上げられ、さらに「水は活動の基本」として、他の目標(貧困、食料、疾病、不平等、気候変動等)にも関連があることが強調された。

 

私は企業活動に関わるセッションを選んで参加したが、今回再認識したのが「企業1社では実施するのに限界がある。NGOなどの関連団体を中心に他企業ともコラボレーションを積極的に行っていく必要がある」であり、さらにそれらコラボレーションから、イノベーションに結び付け、それを他地域へとスケールアップする方向で動いていることである。

「トイレット・ボード・コアリション」は、低所得市場に衛生を提供するためのビジネスのプラットフォームで、ユニリーバ、キンバリークラーク、日本のリクシルが参加し、また英国のNGOウォーター・エイドはこのプラットフォームに参加するとともに、企業(H&MHSBCなど)とのコラボレーションを実施している。WWFとコカ・コーラは、ウォーター・スチュワードシップの活動の範囲をさらに広めている。

またPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)についても盛んに話がされ、近年立ち上げられた「スウェーデン・テキスタイル・ウォーター・イニシアティブ」には、H&Mやイケアなどが参加、「水の効率的使用」、「水の汚染予防」、「廃水の処理」等について検討を始めている。そこでは、最初から何か解決策があったわけではなく、第一段階でイノベーションへ結び付けるために協働で解決策を模索する機会を生み出し議論を始めることが重要だとし、競合他社とは、デザインやパターンなどを共有することはできないが、サステナビリティに関しては、解決策を探すコラボレーションを積極的に実施することができるとしている。

 

このように水への対応はSDGsとパリ協定を絡めて活動されており、リスク対応としてだけでなく、機会としても受け止め競合他社ともコラボレーションを行っていく状況が加速されている。このトレンドに乗り遅れる企業は、水という貴重な資源を中心とした活動から遅れていくことになり、それは自社の持続可能性にも大きな影響を与えるということを認識しなければならない。海外の企業はサステナビリティに関して本気で取り組みを始めていることを是非念頭に置き、御社においても活動を進めていただきたい。

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