2014.7.31 Sustainavision Monthly News Letter Vol.20 : サーキュラー・エコノミーとは? を発行しました。

2014.7.31 Sustainavision Monthly News Letter Vol.20 : サーキュラー・エコノミーとは?

いつも大変お世話になっております。ロンドン在住CSRコンサルタント・サステイナビジョンの下田屋です。
ロンドンの夏は例年短く夏の暑さをあまり感ぜず終わってしまう感じなのですが、今年は違うようで、最近ずっと天気が良く、暑い夏を感じています。日本ほどの暑さではないですが、外出する際には熱射病に十分気を付けようと思います。
このニュースレターは、欧州・英国ロンドンからCSR(企業の社会的責任)につきまして、ご連絡をさせていただいております。(お名刺交換をさせて頂きました方、当社主催の講習会にご参加頂ききました方、欧州CSR戦略和訳のダウンロードをして頂いた方等ご縁があった方々にご連絡をさせていただいております。)さて、今回は、こちらで最近よく耳にする「サーキュラー・エコノミー」についてお伝えさせていただきます。
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  サーキュラー・エコノミー(Circular Economy)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
  これは、今までの伝統的な「取って、作って、捨てる」という直線的な経済から、資源の有効活用・再利用を実施する、いわゆる「クローズド・ループ」を推進するという考え方で、欧州を中心として世界に広められ進められているものです。
  日本でも、少し前から「循環型経済(社会)」という言葉で、廃棄物の発生抑制や再利用、リサイクルなどにより天然資源の消費を抑制し環境負荷をできる限り低減していく活動が推進されてきました。日本での「循環型経済(社会)」の定義もいろいろあるかもしれませんが、日本で推進されてきた循環型経済と「Circular Economy」は似ているようですが、違う部分も含まれているようです。ですので、「Circular Economy」を単純に「循環経済」や「循環型経済」とするのには少し抵抗があり、今回や他の記事においても私は「サーキュラー・エコノミー」と記載しています。
  さて、この「サーキュラー・エコノミー」は、欧州連合としては、欧州2020戦略の3本柱のうちの一つ「持続可能な経済成長」において「欧州資源効率化イニシアチブ」で進められ、資源の利用効率を高める為の動きとして欧州資源効率プラットホーム(EREP)」を設置し推進をしてきました。さらに2050年までの資源の効率的な利用を促す「Roadmap to a Resource Efficient Europe (欧州資源効率化へのロードマップ)」という計画を出し、欧州が取り組むべき必要不可欠なものとしてサポートしています。
  また、目立った動きとしては、英国のエレン・マッカーサー財団は、世界経済フォーラムとマッキンゼーとともにこの「サーキュラー・エコノミー」を推進しており、企業に共に実施することを積極的に促しています。

「サーキュラー・エコノミー」のコンセプトは、将来的に迎えるであろう資源不足を基本として考えられています。現状は限界を考えずに資源を使用しており、世界の人口が急激に増加していく中で、このままの状態で使用していくと資源は枯渇してしまいます。現状の「取って、作って、捨てる」という直線的な経済システムからシフトされるべくその解決策として望まれているものです。経済システムや社会全体の仕組みを変えるという大局的見地からの根本的な変革を求めているもので、達成するにはパラダイムシフトが必要となるとしています。そして活動の鍵となるのは企業であり、企業がビジネスを変えることです。「サーキュラー・エコノミー」を実現する中では、新たなビジネスの機会や雇用の機会を生み出すことにもつながるとしています。

現在の企業の製品のモデルは、それぞれの製品寿命が短く設定されていて、それらの製品が工場に戻され修理や部品交換をするように設計がされていないといいます。そして、これらはただ単にリサイクルがし易いようにすれば良いというだけではなく、根本的な製品設計やビジネスのモデルをも変えなければならないというものです。また、もし製品製造に天然資源の使用が必要な場合には、持続可能な資源からの使用が必要となるということです。例えば、木材の使用の際には、持続可能な森林認証品(FSC等)を使用するというようなことです。

英国エレン・マッカーサー財団は、企業との取り組みを進めていく為に、サーキュラー・エコノミー100(CE100)というプロジェクトを2013年1月に立ち上げています。これは1000日間に世界のトップ100社にサーキュラー・エコノミーにおけるリーダーシップを取ってもらい実践するというものです。サーキュラー・エコノミーを実践する上では、企業がビジネスでのメリットを出す為には、1社で進めるのではなく、地域レベルでの企業同士の協調行動とイノベーションが必要となります。その上で、協同で問題解決を図り、ベストプラクティスを作り、能力強化を図っていくというものです。現在は、約70団体がこのサーキュラー・エコノミー100に参加しています。日本からはRicohが参加しています。

CE100に参加している企業の取り組みを次に少し紹介します。
欧州でホームセンターを所有する最大の企業である「キングフィッシャー」は、「ネットポジティブ」という2050年までのCSR戦略を1年前に発表。実施するとしているイノベーションの分野では、サーキュラー・エコノミーのアプローチに沿って、自社の300の製品を2015年まで、また、1000の製品を2020年までにクローズド・ループとするとしています。

また西欧を中心としたボトラーである、「コカコーラ・エンタープライズ」は、持続可能なパッケージングとリサイクルの分野で業界のリーダーシップを取りこのサーキュラー・エコノミーの活動を後押ししています。


※ビデオで日本がサーキュラー・エコノミーの地域での具体例として紹介されています。

世界経済フォーラムの論文「Towards the Circular Economy: Accelerating the scale-up across global supply chains」の中では、サーキュラー・エコノミーが進んだ地域として日本が紹介されています。日本は、天然資源が少ないとされ、今まで省エネルギーや、リサイクルなどの推進を積極的に進めてきました。論文の中では、大きく「構造調整」「法整備」「社会参画」の3つにおいて進めてきたことが現在の状況を形成してきたと記載されています。日本は国内で培ってきた技術や知識、経験において世界よりも先駆けて進めてきたことについて、今度は世界へと広めていく良い機会ではないかと思います。世界へ発信をしていきリーダーシップを取ること、また、現在日本で確立された仕組みなどを、世界の企業との協働でさらに先へと進めていくこともできると思います。日本はこの分野での優位性を持ちつつ、リーダーシップを図っていくチャンスだと思います。

また日本では、「持続可能な消費」の観点から考えると、まだ消費者の行動は持続可能性について伴っていないと思います。持続可能な消費を推進する為に消費者の意識を変える教育や仕掛けがより必要であると考えます。

今後も「サーキュラー・エコノミー」についての情報を入手し、こちら欧州の動きについて機会を見てお伝えしていきます。
日本や世界の他の地域でも何かサーキュラー・エコノミーについて情報がありましたら共有いただければ幸いです。 (了)

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【イベント情報】
How business can tackle deforestation
2014年10月28日・29日に「How business can tackle deforestation」というイベントがInnovation Forum(イノベーション・フォーラム)主催でロンドンで開催されます。森林破壊を防ぐために、企業、サプライヤー、NGOが参加し議論いたします。参加をご希望される方は、サステイナビジョンのディスカウントコード”SustVision15”をお申込みの際に入力すると15%割引となります。

Business and Human Rights
2014年11月10日に「Business and Human Rights- How to get beyond policy, manage risk and build relationships」というイベントがInnovation Forum(イノベーション・フォーラム)主催でロンドンで開催されます。現在の欧州の人権に関しての取り組みや考え方を知る良いチャンスです。

The 8th annual CR Reporting and Communications Summit 2014
2014年11月13日・14日に「The 8th annual CR Reporting and Communications Summit 2014」がEthical Corporation:エシカルコーポレーションの主催でロンドンで開催されます。このイベントは、CSR報告やステークホルダーとのコミュニケーションについてこちらの先進企業が情報をシェアしてくれるというものです。日本からの参加の場合、サステイナビジョンのコード「SV10」を入れると10%割引となります。

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<編集後記>

CSRマガジンのオルタナさん主催で、「英国の先進CSR・エシカル企業視察ツアー」を7月7日~11日まで開催いたしました。日本・英国から15名が参加。私は受け入れ側としてお手伝いをさせていただきました。
5日間で、15団体を訪問するという非常に濃密なツアーとなりました。ネスレUKでは、CSVを含む包括的なCSRプログラムについて、また、マークス&スペンサー(M&S)では、PlanA(CSR戦略)の推進者であるマイク・バリー氏から、直接Plan Aを社内で推進してきた中での苦労などについてもお伺いすることができました。Body ShopやLUSHについては、動物実験の禁止についてはもちろん、そのエシカルな調達については進んだ取り組みであり非常に参考になりました。また2社はロンドン近郊ではなく英国南部に本社があるため、バスで訪問するなどの遠足となり、参加者の方に英国の自然など違った部分も見ていただけたのではないかと思います。参加者からは、「人生の転機?ともいえるぐらい、大きな成果を得ました。」といううれしい声もいただいています。このツアーの内容については、オルタナ本誌9月号で特集される予定です。また今回の詳細のレポートについてもサステイナビジョンから販売する予定としています。 ご興味のある方はご連絡ください。

また8月14日・15日と「GLOBAL CORPORATE GOVERNANCE INSTITUTE」というコーポレートガバナンスのカンファレンスの第一回目がロンドン(University of Surrey)で開催されるので参加する予定としています。地域によってどのようにガバンスの違いがあり、CSR/サステナビリティに影響を及ぼしているのか非常に興味深く参加するのが非常に楽しみです。こちらについても9月下旬から10月中旬の一時帰国の際の日本でのセミナーの時など何かの機会にお伝えできればと思っています。
それでは日本は夏真っ盛りで非常に暑いとは思いますが、熱射病などにならないようどうぞご自愛ください。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
(サステイナビジョン下田屋)



最近の寄稿記事はこちらから

【オルタナオンライン】
・アライアンス・ブーツ社の従業員エンゲージメント――下田屋毅の欧州CSR最前線(39)
・ラナプラザ・ビル倒壊事故から1周年――下田屋毅の欧州CSR最前線(38)

・CSVの元祖、ネスレの包括的CSRプログラムとは――下田屋毅の欧州CSR最前線(37)
・水リスク対応を進める欧州企業――下田屋毅の欧州CSR最前線(36)
・年々高まる「ビジネスと人権」への関心――下田屋毅の欧州CSR最前線(35)
CSRを取締役に持ち込む方法――下田屋毅の欧州CSR最前線(34)

【東洋経済オンライン】
・ストーリーで共感呼ぶ、ユニリーバのCSR すべてのステークホルダーの意識を変えよ
・米ナイキが苦難の末に学んだ、CSRとは?10の「メガリスク」をビジネスチャンスに変える法
・「CSR=社会貢献」という考えは、時代遅れ欧州がリードする、CSRの「2020戦略」とは?

【CSOネットワーク】
・ 「第2回国連ビジネスと人権フォーラムについて(報告)」

【レスポンスアビリティ”サスナビ!”】
・欧州ここだけの話:CEOが語るCSRのビジョン

【サステナビリティ・コミュニケーション・ハブ】
・企業のESG情報はどのように収集・活用されているか(ブルームバーグ)
・マークス&スペンサーが実践するサステナビリティ

【シータス&ゼネラルプレス】
・CSVとネスレの人権に関する取り組み:後編(2014/5/6)
・CSVとネスレの人権に関する取り組み:前編(2014/5/6)
・Q: CSRを取締役に持ち込むために、利益・恩恵をベネフィットとして金銭換算することの重要性と事例を教えてください
・サステイナビジョン下田屋毅氏に質問!――マークス&スペンサーのCSR戦略(2014/1/17)

【ブレーンセンター】
CSRの推進に不可欠な社内浸透教育の重要性(その1)
CSRの推進に不可欠な社内浸透教育の重要性(その2)
CSRの推進に不可欠な社内浸透教育の重要性(その3)

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英国IEMA認定CSR資格講習会

日時:2014年10月9日(木)・10日(金)
場所:東京

早割(2014年9月17日迄):10%
お申込み・お問合せはこちら

英国IEMA認定CSRプラクティショナー資格保持者一覧
 日本   世界

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How business can tackle deforestation” in London


※ディスカウントコード”SustVision15”をお申込みの際に入力すると15%割引となります。

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