2014.9.29 Yahoo Japanニュースとオルタナオンラインにサステイナビジョン代表取締役下田屋の記事「CEOが自社のCSR・サステナビリティについて語る」が掲載されました

CEOが自社のCSR・サステナビリティについて語る――下田屋毅の欧州CSR最前線(40)

今回が13回目となる「レスポンシブル・ビジネス・サミット」に筆者は参加した。これは、英国エシカルコーポレーションの主催で、5月19日~20日とロンドンで開催され、毎年約400人が参加する大きなイベントだ。このイベントは、特に企業のCEO、副社長、CSO(Chief Sustainability Officer)などがスピーカーとして参加するものだ。

これらのスピーカーは、各企業から招待された52人で、その内訳は、CEOが12人、副社長2人、CSOは3人、CSR部長20人、他が15人である。それぞれが自社のCSRおよびサステナビリティに関する考え方や取り組みについて、パワーポイントを使用せずインタビュー形式で自らが語るというもので、非常に興味深いものであった。

今回の主だった大企業からのCEOの出席は、英国スーパーマーケット王手の「セインズベリー」、南アフリカを中心として世界的なビール・飲料会社の「SAB ミラー」、タイルカーペットの世界的企業である「インターフェイス」などだ。

各社CEO自らが語る、CSRに関する考え方

英国スーパーマーケット王手のセインズベリーのCEO ジャスティン・キング氏は、セインズベリーの「20×20 サステナビリティプラン」について語った。

それは「我々が、20×20 サステナビリティプランの目標を作成した理由は、サステナビリティの観点から、非常に多くのことを実施していたが、それらを念頭に置いて、より明確な目的地が必要と感じたからである」と発言。

「我々が2030年の目標を設定するなら、顧客とのコミュニケーションの点では、顧客は我々が真剣ではないと思うだろうし、彼らも今すぐ行動する必要がないと思ってしまう。この点で2020年はちょうど良い時期の目標だ。我々が今何か行動を起こせば、異なる結果をもたらすことができる」と続けた。

セインズベリーは、既にMSC認証を受けた魚介類や、フェアトレードのバナナ、紅茶、コーヒーなどを世界で一番積極的に活用・販売しているスーパーマーケットだということだが、「近い将来、現在の消費者が望んでいる良品質で、持続可能で、かつ手頃な価格の製品がサプライチェーンから継続して供給がなされるのは難しくなるので、その部分にはさらにこれから正しい投資が必要となる」と述べた。

タイルカーペットの世界的企業であるインターフェイス(欧州・中東・アフリカ)社のCEOのロブ・ボーガード氏が登壇。ボーガード氏は2011年にインターフェイスに参画。

ボーガード氏は「インターフェイスのイノベーションに関する取り組み、2020年の目標をサポートするために、従業員全体にその考え方を浸透させるべく、クエストと呼ばれる推進プログラムを開発、全従業員を繋げる共通の目標を一緒に持ち日々実行している」と語る。

インターフェイス社といえば、創業者であり前CEOのレイ・アンダーソン氏がサステナビリティのリーダーとして牽引していたのが有名だ。1994年、レイ・アンダーソン氏はポール・ホーケンの著書『The Ecology of Commerce』を読んだ後、「自分が『地球の略奪者』であることに気が付いた。

このまま『取る、作る、捨てる』というビジネスモデルを維持するのであれば、環境、社会に深刻な影響を与える。今後は『地球を無謀に扱い、生態系を衰退させている犯罪者』として投獄されることもある」と自らを犯罪者と扱い、この旧来のビジネスモデルから新しいモデルへの移行を実行し、また他の経営者にもその行動の必要性を促した。

これを表すコミットメントが、「ミッション・ゼロ」という7つの要素を含むコミットメントで、「2020 年までに環境に与える負荷をなくす」というもので現在もインターフェイス社が取り組んでいるものだ。残念ながらレイ・アンダーソン氏は、2011 年に亡くなったが、彼が築いた理念は遺産としてしっかりとインターフェイス社に引き継がれているという。

このように海外では、CEOが自社のCSRおよびサステナビリティに対する考え方、また取り組みに関して自らの言葉で語っている。今回のこのイベントへの日本人での参加は私 1 人だけだったが、今後はこのようなイベントで、日本の社長あるいは現地法人の社長など自らが、海外のステークホルダーへ向けて、自社のCSRやサステナビリティの取り組みを語る、あるいは、持続可能な社会の構築をするためにCSR、ひいてはサステナビリティの重要性を訴えるなど、発信をしていただければと思う。

オルタナオンラインへのリンク:
http://www.alterna.co.jp/13734

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