2014.4.30 Sustainavision Monthly News Letter Vol.18 :ラナプラザビル倒壊から1周年 を発行しました。

Sustainavision Monthly News Letter Vol.18:ラナプラザビル倒壊から1周年

いつも大変お世話になっております。ロンドン在住CSRコンサルタント・サステイナビジョンの下田屋です。
日本はGWの真っただ中で、のんびりされている方もいらっしゃると思います。ロンドンは最近天気が良くて非常に気持ちが良くすがすがしく、日もだいぶ長くなって夜8時過ぎくらいまで明るくなってきました。

このニュースレターは、欧州・英国ロンドンからCSR(企業の社会的責任)につきまして、ご連絡をさせていただいております。(お名刺交換をさせて頂きました方、当社主催の講習会にご参加頂ききました方、欧州新CSR戦略和訳のダウンロードをして頂いた方等ご縁があった方々にご連絡をさせていただいております。)

さて今回は、バングラデシュのラナプラザ・ビル倒壊事故から1周年が経過し、その関連のキャンペーンやイベントがロンドンで開催されましたので、一連の状況を写真とビデオを交えて皆さんにお伝えしたいと思います。
(Monthly News Letterの定期購読はこちらから)

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バングラデシュの最悪の産業事故であるラナプラザ・ビル倒壊事故から2014年4月24日で1年が経過しました。このラナプラザ・ビル倒壊事故では、1,130人を超える労働者が犠牲となり、2,500人以上が負傷しています。

このラナプラザ・ビル倒壊事故の1周年にあたり、欧州各地で関連イベントが開催され、英国では、BBCが朝からこのトピックについて頻繁にとりあげています。

ラナプラザ・アニバーサリー・アクション

英国ロンドン各所では、このラナプラザキャンペーンやイベントが開催されました。
サステイナビジョンの下田屋は、「ラナプラザ・アニバーサリー・アクション」というキャンペーンに参加。これは、「レイバー・ビハインド・ラベル」という団体の主催で、ロンドンのオックスフォードストリート沿いにある、米系アパレル企業GAPの店舗の前で開催されました。
参加者は約50人、そしてメディアやその他見物人が取り巻き注目を集めていました。

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下田屋撮影

このキャンペーンには、バングラデシュ国立衣料品労働者連盟会長のアミルイ・ハク・アミン氏が参加、GAPの店舗前で、「ラナプラザの被害者やその家族に対する補償が進んでいない。すぐに補償金が支払われるべきだ。」と訴え、またGAPは、当時ラナプラザから調達をしていたにも関わらず、世界的な動きである「アコード」への参加を拒否したとして糾弾されています。またアミン氏は、「アライアンスは、自発的なもので、法的強制力はなく活動としては弱い、またより多くの補償金を支払うべきだ」と非難しました。

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<バングラデシュ国立衣料品労働者連盟会長のアミルイ・ハク・アミン氏> 下田屋撮影

このキャンペーンには、英国の社会派ファッションデザイナーであるキャサリン・ハムネット氏が、「ノーモア・ファッション・ビクティムズ(もうファッションの犠牲者は出さない)」のTシャツを着用し参加していました。

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<キャサリン・ハムネット氏>下田屋撮影

キャサリン・ハムネット氏に日本の方へのメッセージをお願いしたところ、「我々は現在の経済成長の中で許されるルールができることを求めここでキャンペーンを実施している。工場労働者の生活賃金が保証され、人権が尊重されるステージに移行すること、また工場などの建物の検査がしっかりなされることを求めている。このラナプラザのような災害を絶対に発生させてはいけない。これは奴隷労働だ。」とお話しいただきました。

このキャンペーンでは、GAPの店舗の前に人の鎖を作り、「ラナプラザ・ネバーアゲイン(ラナプラザを絶対発生させない)」と参加者全員でのシュプレヒコールを実施し訴えています。

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<GAP前での人の鎖> 下田屋撮影

また、この後、このキャンペーンは、オックスフォード・サーカスにあるベネトンの店舗前に移動、店舗の入口を閉鎖するなどして訴えました。ベネトンはこのために営業を完全にストップ。

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<ベネトンの前でのキャンペーンの様子> 下田屋撮影

ベネトンもラナプラザから調達していた企業の一つとされ、2013年5月に「アコード」に署名しました。その後「アコード」の求める、被害者とその家族への補償金の支払いをしておらず、契約違反とされ店舗前で訴えられたものです。

ファッション・レボリューション・デイ

またもう一つの大きな動きとして、「ファッション・レボリューション・デイ」がロンドンで開催されました。これは世界にネットワークを持つ組織で、英国を中心に世界へ広げた運動で、2014年4 月24日に自分の服を裏返しに着て、写真に撮り、どこの企業の製品か、誰が作っているのかを確認し、それをツイートするというものです。


また、夕方からの「ファッション・レボリューション・デイ」のイベントに参加をしましたが、今後の動きとしては、「綿花生産や縫製など衣服製造に関わること」・「ファッションに関するやり方」をエシカルでサステナブルなファッションとしての考えをベースに置き、ファッションを根本から方法を変えていくもので、この革命を起こしていくというもののようです。
日本にも支部があるようで、今後の活動に注目をしていきたいと思います。
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世界の一員として何ができるのかを一緒に考えて行きましょう

バングラデシュでのビル倒壊の事故は、遠い国で起こっている事柄と関心をもたないかもしれません。
英国と日本とどちらが、バングラデシュに近いのかというと、実際の距離というよりも、その国の人々に対する思いや、実際に行われている人権侵害についての活動や行動、そして意識の差は相当開いているように思います。
そしてラナプラザの教訓から、安い製品には、何か理由があると考えなければならないと思います。安いからよいのではなく、それを「誰がどこで作っているのか」を考えて購入すること、倫理的な価値判断から行動することが求められてきているのではないでしょうか。
ファストファッションというトレンドから消費者としての行動も変わっていかなければなりません。ここロンドンのすべての消費者が意識しているわけではないし、もちろん安い衣料品は飛ぶように売れています。
しかし、そのことを喚起してくれる団体や活動家がここにはいます。本当に本質を考えて行動を起こさなければ、それを理解をしている人が行動を起こさなければ世界は変わらないと思うのです。
ガラパゴスではなく、世界の一員として何ができるのかを一緒に考えて行きましょう。


Tears In the Fabric

同日、ラナプラザビル倒壊事故のドキュメンタリー映画「Tears in the Fabric」も公開されました。30分ぐらいの映画です。是非ご覧ください。(英語)

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<編集後記>

お陰様で、3月21日から4月14日までの滞在中に7年ぶりの花見をさせていただきました。しっかり時間をとって桜の下で、お酒を飲むということまではできませんでしたが、桜並木を歩くことができ、その並木に桜がきれいに咲き、時々、風で桜が舞い散るようなところを見ると、日本にいることを実感することができました。そして日本人としてその風景に風情や何かを感じるという、日本人は情緒豊かであるのだということを改めて感じ、日本人で良かったとつくづく感じさせていただきました。

今回の日本滞在は、実は2回に分けて滞在をいたしまして、2回目の滞在は、3月21日から4月14日まで滞在させていただきました。そこでは、勉強会やセミナーなどで本当にたくさんの方に今回もお会いさせていただくことができました。お会いさせていただきました方その節は本当にありがとうございました。
3月22日には、環境研究会様主催の勉強会にて「~CSR の実例紹介~」4月4日(金)には、CSR資格保持者向けセミナー「欧州のCSRの動向について ~ビジネス人権フォーラム・水リスク他~」、4月8日(火)は、CSOネットワーク様主催、「皆で学ぼう 欧州におけるCSRの現状と市民セクターの役割」セミナー、また、4月11日(金)グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク様主催、「CSRセミナー 基礎から欧州最新トレンドまで」にてお話をさせていただきました。ご協力いただきました関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

さて、次回の日本滞在なのですが、実は5月22日頃から6月初旬までを予定しております。(あれまた来るの?という声も聞こえてきそうですが・・・)
今回は、例年、法政大学の大学院で欧州CSRについて授業のコマを2コマいただきましてお話をさせていただいているので、その授業と、環境経営学会という環境・CSRに関しての研究をしている学会に最近入会させていただいたのですが、この学会の2014年度研究報告大会/定期総会が開催されるにあたり、そこでも報告をさせていただくこととしています。
また、この機会にせっかくですので、セミナーも開催することを考えています。また御連絡をさせていただきます!

また、この機会にたくさんの方とお話をさせていただきたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

P.S. オルタナ様主催で、「英国の先進CSR・エシカル企業ツアー」が7月7日~11日まで開催され、私は受け入れ側としてお手伝いさせていただいています。日本からはもちろん、英国や欧州のその他地域からの参加も可能です。ご興味ある方は次のリンクでご確認ください!
http://www.alterna.co.jp/12858

P.S.2 シンポジウム 「CSRとCSVに関する原則」のめざすもの
~CSVはCSR課題を解決できるのか~が、5月21日に開催されます。是非ご参加ください。
「CSRとCSVを考える会」私もこの会に発起人として入っています。
申込み: 
http://www.csonj.org/event/140521seminar

(サステイナビジョン下田屋)


CSRのオンライントレーニング

CSRトレーニングへの新しいアプローチ
「Getting to Grips with Corporate Responsibility(企業責任への取り組み)」は、企業責任について最も実績のある英国の2名のエキスパートが構築したオンラインの連続トレーニングコースです。


コース: マテリアリティとリスク
講習開始日: 2014年5月19日(6月19日まで申込み可能)

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英国IEMA認定CSR資格講習会

日時:2014年10月9日(木)・10日(金)
場所:東京

お申込み・お問合せはこちら

英国IEMA認定CSRプラクティショナー資格保持者一覧
日本   世界

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